【バイブライティング環境構築】マルチルートワークスペースで”迷子ゼロ”の執筆環境をCursorで作る【生産性アップ】Vol 4
執筆作業において、複数のプロジェクトを同時進行することは珍しくありません。しかし、プロジェクトが増えるにつれて、ファイルの管理や作業の切り替えが複雑になり、効率が低下してしまうことがあります。
この記事では、マルチルートワークスペースを活用して、複数の執筆プロジェクトを整理し、迷子になることなく効率的に作業を進める方法をご紹介します。

マルチルートワークスペースとは
マルチルートワークスペースとは、1つのエディタ(VS Code、Cursor等)で複数のフォルダを同時に開き、それぞれを独立したプロジェクトとして管理できる機能です。
従来の方法との違い
従来の方法:
- プロジェクトごとにエディタを開き直す
- ファイルの場所を覚えておく必要がある
- 作業の切り替えに時間がかかる
マルチルートワークスペース:
- 1つのエディタで複数プロジェクトを管理
- サイドバーでプロジェクトを明確に分離
- 素早いプロジェクト切り替えが可能

執筆環境の構築手順
1. ワークスペースファイルの作成
まず、.code-workspaceファイルを作成します:
{
"folders": [
{
"name": "📚 技術記事",
"path": "./technical-articles"
},
{
"name": "✍️ ブログ記事",
"path": "./blog-posts"
},
{
"name": "📖 書籍執筆",
"path": "./book-writing"
},
{
"name": "📝 メモ・アイデア",
"path": "./notes-ideas"
}
],
"settings": {
"files.associations": {
"*.md": "markdown"
},
"markdown.preview.breaks": true,
"markdown.preview.linkify": true
}
}
2. フォルダ構造の設計
各プロジェクトフォルダに以下のような構造を作成します:
writing-workspace/
├── technical-articles/
│ ├── drafts/
│ ├── published/
│ └── research/
├── blog-posts/
│ ├── drafts/
│ ├── published/
│ └── images/
├── book-writing/
│ ├── chapters/
│ ├── outline/
│ └── references/
└── notes-ideas/
├── daily-notes/
├── ideas/
└── templates/
3. 命名規則の統一
迷子を防ぐために、一貫した命名規則を設定します:
ファイル名の例:
YYYY-MM-DD-記事タイトル.md[ステータス]記事タイトル.md(例:[下書き]React入門.md)[カテゴリ]記事タイトル.md(例:[技術]TypeScript基礎.md)

効率的な作業フロー
1. プロジェクトの切り替え
サイドバーのフォルダ名をクリックするだけで、素早くプロジェクトを切り替えることができます。
2. 検索機能の活用
Ctrl+Shift+F(Cmd+Shift+F)で全体検索- 特定のプロジェクト内での検索は、そのフォルダを右クリックして「フォルダ内で検索」
3. タスク管理の統合
各プロジェクトフォルダにTODO.mdファイルを作成:
# TODO - 技術記事
## 進行中
- [ ] React Hooks完全ガイド
- [ ] TypeScript型システム解説
## 完了
- [x] JavaScript基礎文法
- [x] CSS Grid Layout入門
## アイデア
- Next.js 13の新機能
- パフォーマンス最適化テクニック

迷子を防ぐためのテクニック
1. エモジを使った視覚的区別
フォルダ名にエモジを付けることで、一目でプロジェクトを識別できます:
- 📚 技術記事
- ✍️ ブログ記事
- 📖 書籍執筆
- 📝 メモ・アイデア
2. カラーテーマの活用
各プロジェクトに異なるカラーテーマを設定することで、視覚的に区別しやすくなります。
3. ファイルエクスプローラーの活用
- よく使うファイルはピン留め
- 最近使用したファイルの履歴を活用
- ファイルの並び順を変更(名前、日付、種類)

拡張機能の活用
推奨拡張機能
- Markdown All in One
- プレビュー、目次生成、数式対応
- Auto Rename Tag
- HTMLタグの自動補完
- Bracket Pair Colorizer
- 括弧の対応関係を色分け
- GitLens
- Git履歴の可視化
- Project Manager
- プロジェクトの素早い切り替え

バックアップと同期
1. Git管理
各プロジェクトフォルダをGitリポジトリとして管理:
# 各プロジェクトフォルダで
git init
git add .
git commit -m "初期コミット"
2. クラウド同期
- GitHub/GitLabでリモートリポジトリを作成
- Dropbox/Google Driveでフォルダ同期
- Obsidian Sync(有料)の活用

トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
Q: ファイルが見つからない
A: ワークスペース全体で検索(Ctrl+Shift+F)を実行
Q: プロジェクトが多すぎて混乱する
A: 関連するプロジェクトをサブフォルダにグループ化
Q: 設定が複雑すぎる
A: 段階的に導入し、必要に応じて調整

マルチルート執筆環境構築ガイド

まとめ
マルチルートワークスペースを活用することで、複数の執筆プロジェクトを効率的に管理し、「迷子ゼロ」の執筆環境を構築できます。
重要なポイント
- 明確なフォルダ構造を設計する
- 一貫した命名規則を設定する
- 視覚的な区別を活用する
- 定期的な整理を行う
- バックアップを忘れずに
この環境を構築することで、執筆作業の効率が大幅に向上し、アイデアの整理やプロジェクトの進行管理が格段に楽になります。
次のステップ
- 既存のプロジェクトを段階的に移行
- チームでの共有設定の検討
- 自動化ツールの導入検討
この記事が、あなたの執筆環境の改善に役立つことを願っています。何かご質問がございましたら、お気軽にお聞かせください。




